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技術士合格体験記
設計部 佐々木


 技術士合格体験記の原稿作成依頼がありました。1年以上前のことですので忘れかけていますが、少し思い出してみました。
 
○合格した年度、部門とその後
 2022(令和4)年度、建設部門 [河川、砂防及び海岸・海洋] に合格し登録しました。そして技術士登録をして迎えた2023(令和5)年度ですが、業務においてとても苦しい思いをしました。技術士としての責務を痛感したといったところです。
 しかし、しっかりと試験対策をして技術士に合格できたこと、そして業務で苦しんだことも、本当に良い経験ができていると感じています。
 それでは、受験時を振り返ってみます。
 
○受験にあたり
 受験にあたっては、まず申込書を作成します。申込書では「実務経験証明書」を記載しますが、これは口頭試験の問答を想定して作成する必要があります。しかし、申込書作成時点で口頭試験のことなどなかなか分かりませんので、先輩技術士に添削してもらいアドバイスをいただく必要があります。また、私は「問題」「問題点」「課題」の違いがなかなか理解できませんでしたが、「業務内容の詳細」の記述においては、この整理が重要だと思いました。
 何度も何度も証明書の書き直しをしましたが、なかなか納得いくものができず、案の定、口頭試験対策時には苦労しました。
 申込書を提出した後は試験対策です。対策にあたり私が決めたことは一つ【継続的な学習】です。原則、毎日勉強し、最低でも2日以上開けないこととしました。また、以下の書籍や資料を参考として対策を進めました。
 
 ◇ 技術士第二次試験講習資料 (鳥居直也 as APEC)
 ◇ 技術士一直線 (日経コンストラクション内の連載)
 ◇ 技術士第二次試験建設部門 合格指南
 ◇ 筆記試験問題・合格答案実例集 (APEC-semi & SUKIYAKI塾)
 
○筆記試験
 筆記試験の対策(小論文の作成)では、【骨子法】がお薦めされます。私も最初は挑戦してみましたが、早々に断念しました。私はとにかく文章作成が苦手であり、骨子ができたところで、文章の作成でつまずいてしまいます。そもそも骨子の作成で一苦労するのに、続けて文章を作成するという「二重苦」に耐えられませんでした。そこで、過去2年分の出題に対し、とにかく解答文を作成し、それをしっかり仕上げることとしました。結果として、この切り替えが自分には良かったと考えています。なお、過去2年分としたのは、最近の政策動向を確認するのに3年以上前は必要無いと考えたからです。
 解答文の作成にあたっては、国土交通白書(概要)や関連する施策を繰り返し読み込みました。また、筆記試験におけるコミュニケーションは「読みやすい、読んでわかる、理解しやすい文」を作成することです。これを意識し、文章の構成(バランス)に配慮して、下手なりに丁寧に字を書くことを心掛けました。
 筆記試験対策でも、技術士の方に添削していただくことが重要です。見てもらい修正し、読み手に「より伝わる文章」に仕上げていくことが合格への近道だと思います。
 
○口頭試験
 11月1日に筆記試験の合格発表があり、口頭試験は12月17日、東京駅近くの試験会場に決定しました。約1ヶ月の準備期間では、想定問答の作成とその記憶はしっかりできたと思います。ただ、試験開始時点では勉強の記憶はすっかりと飛んでしまい、頭の中はほぼ真っ白という状態だったように思います。そこで感じたことは、このような状況でも役立つのは、これまでの業務での経験や日常の積み重ねだということです。試験官の問いに対し、身をもって経験したことを的確に簡潔に答えることができれば合格できると思いました。
 口頭試験対策においても、技術士や周囲の方の協力が必要です。模擬試験を何度も経験させていただいたことで、ありがたいことに試験中は平常心で対応することができました。また、当時は新型コロナの流行時期だったこともあり、東京に行き受験できただけでもありがたいという思いがありました。試験のことを思い返しますと、とにかく感謝という気持ちになります。
 
○試験後
 試験の感触は悪くなく、無事終わったのでホッとしました。試験終了後は近くの喫茶店に入り、すぐに口頭試験の覚書を作成しました。
 せっかくなので、ちょっと遅めに帰ることにして、まずはひとり打ち上げを行い、その後は東京駅周辺を散策しました。
エッセイ
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